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6年生 夏休みの注意点

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塾に通いすぎない

夏休みで最も気をつけなれければいけないのは、塾に通いすぎないということです。塾によっては夏休みの間は朝9時から夜9時まで毎日塾、週1日の休みの日も自習室で勉強、というところがあります。こんな非人間的な生活を2ヶ月も続けると、真面目な子どもほど成績が下がります。体の弱い子どもの場合は、お盆明けの頃から病気になったりします。

私の経験でも、塾に週6日通っているような子どもは、夏休みも半ばを超えた頃から、勉強の時間も反応がだんだん鈍くなり、以前なら解けたような問題も解けなくなり、根気も集中力もなくなり、それでも解き方を教えず考えさせようとすると、イライラとした反応を示すようになります。また、毎日1題の問題を宿題としてやらせていますが、その出来も悪く、問題に使う時間もどんどん短くなっていきます。

秋頃になると、「春までは順調だったのに成績が急に下がりました!どうすればいいか分かりません!」といった相談のメールがよく寄せられます。事情を聞いてみると、ほとんどのご家庭が、「夏休みは頑張ろう」ということで、毎日朝から晩まで塾に通い、宿題もできるだけ全部やったということです。まさに、塾の通い過ぎが原因の成績低下です。

中学受験の世界にどっぷりつかっていると分からないことですが、受験の世界から一歩退いて考えてみれば、常識的に言って、小学生が、朝9時から夜9時まで、途中に運動やレクリエーションや遊びや読書をはさむことなく、机の前に座り続けて、集中力が持つはずがありませんし、授業時間だけの内容を消化できるはずがありません。

ですから、私の生徒には、少なくとも午前中は家で勉強し、塾に通わない日を週2〜3日は確保するか、重要でない科目や講座を適宜休むようにしてもらっています。何度も言いますように、一番大切なのは、その日の疲れを次の日に残さないようにすること、毎日スッキリした頭で勉強することです。

「家にいても全然勉強しなくてボーっとしているだけだから塾に行かせている」という方もいらっしゃるでしょう。しかしよく考えて下さい。仕事のあとで、何をするともなくボーっとする時間は、大人にも必要なはずです。成長期の子どもには、なおさら必要です。病気や怪我をした動物が、動かずに丸まって回復するのを待つのと同じです。

たとえその日はほとんど勉強しなくても、運動したり本を読んだり兄弟と遊んだりしてリフレッシュできれば、次の日からの勉強の質がグンと高まります。問題を何問解いた、何時間勉強したという目に見えるところだけでなく、子どもの疲れ具合、やる気や気力と言った精神状態のような、目に見えない部分も見るようにして下さい。

「そんなことは分かっているが、うちは共働きだから仕方ない」という方もいらっしゃるでしょう。そういう場合は塾は託児所としてあきらめ、成績が上がることまでは期待しないことです。

また、「はじめたことを最後までやり抜くことが大切だから、休まず通いなさい」という方もいらっしゃるでしょう。その場合、当初の目的を果たしたらそれでよしとして下さい。8月後半から9月にかけて、多少成績は下がるでしょうが、以前の勉強のペースに戻せば、必ず成績は回復します。そして夏休みの困難を乗り切っただけ、精神的に成長していることでしょう。

最後に。夏休みに毎日塾に通うメリットが1つだけあります。それは、「塾に通いすぎると成績が下がる」ということを、親も子どもも身をもって知ることが出来るからです。この教訓を胸に、夏休み以降もさらに増える塾の宿題、講座、オプションのテストなどをセーブし、宿題の量を成績の伸びがが好調だった頃にもどせば、成績は必ず以前のレベルまで回復します。そして、同じ過ちを繰り返さないよう冬休みは塾を適宜間引きし、子どもに合った勉強のペースをキープすることで、入試まで順調に過ごすことができます。

自由研究

夏休みといえば自由研究。自由研究は、理科の苦手な単元を得意にする絶好のチャンスです。理科の最も不得意な単元を、自由研究のテーマにするのです。

星座の観察、太陽による棒の影の動き、浮力、モノコード、ピンホールカメラ、凸レンズなど、理科の苦手な問題がたくさんあるはずです。それらのうちから、自分で実験できそうな問題を、丸ごとそのまま実験で確かめるのです。実験とそのレポートに1日、2日かかっても構いません。それによってその単元を確実にものにすることができます。

早めに弱点補強

弱点補強は塾任せにしてはいけません。弱点分野が分かっているなら、冬休みに回さず、この時期にちゃんと弱点補強して下さい。冬休みは冬休みで、やることは沢山あります。

塾を1日、2日休んでも構いませんから、家庭で苦手な単元を克服して下さい。その際、子どもにただ「苦手な科目を勉強しなさい」というだけではいけません。小学生では、自分でその方法を考えるのは無理です。親が横に座って、具体的な勉強方法を示してあげるか、一緒に考えてあげて下さい。

まずは、4年生や5年生のテキストを用意して、苦手な単元の最も簡単なところから始めて下さい。算数なら例題から解きます。理科の暗記の単元なら、参考書なども使って、ノートにまとめる。そしてそれを覚えてから基礎の問題から問いていきます。

子どもが苦手な単元というのは、それはもう、大人の想像をはるかに超えたレベルで、子どもは何も理解していません。例えば天体の分野なら、右回りや左回り、時計回り反時計回り、東西南北、太陽が東からのぼって西に沈むことから分かっていなかったりします。

ですから、苦手な単元の勉強のコツは、基礎の基礎のそのまた基礎から、子どもといっしょに勉強していってあげること、そしてその際、子どもが知らないことを恥ずかしがらないように、子どもを叱らないことです。逆に「こんなことも知らずに今まで12年間生きてきたのか!えらいえらい!よくがんばったなあ!」と、子どもの「無知」を一緒に楽しんあげて下さい。そうすれば子どもは自分の疑問を洗いざらいさらけ出し、他の弱点も一気に補強できるでしょう。

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